自宅を売った時の「譲渡所得の特例」について

今年もそろそろ終わりですね。年が明けるとすぐに所得税の確定申告の時期がきます。
今日は、自宅を売った場合の「譲渡所得の特例」について、

  1. 譲渡益がある場合
  2. 譲渡損が出た場合 についてまとめてみました。

なお、これらの「譲渡所得の特例」を受ける場合は、納税額がなくても確定申告が必要です。

1 自宅を売って、「譲渡益」がある場合

譲渡益がある場合は、特別控除などの特例があります。

  1. 3,000万円の特別控除の特例
  2. 軽減税率の特例
  3. 買換え(交換)の特例
  4. 亡くなった人の自宅に係る3,000万円の特別控除の特例(平成28年4月1日から令和5年12月31日までの売却に限ります。)

2 自宅を売って、「譲渡損失」が生じた場合

譲渡損失がある場合は、損益通算や繰越控除ができる特例があります。(所有期間が5年を超える場合に限ります。)

次の(イ)又は(ロ)により、その譲渡損失の金額をその年の他の所得と「損益通算」することができます。その年で通算しきれなかった譲渡損失の金額がある場合には、その年の翌年以後3年内の各年分(合計所得金額が3,000万円を超える年分を除きます。)の所得から「繰越控除」することができます。

(イ)新たに自宅を買換える場合の特例

自宅を売った年の前年から翌年までの3年の間に新たな自宅を取得し、年末においてその新たな自宅の住宅ローン残高がある場合は、一定の要件の下で、売ったマイホームの譲渡損失の金額について「損益通算」及び「繰越控除」をすることができます。

(ロ)新たに自宅を買換えない場合の特例

 自宅の譲渡契約締結日の前日において売った住宅の住宅ローン残高がある自宅を売った場合は、一定の要件の下で、その自宅の譲渡損失(住宅ローン残高から自宅の譲渡対価の額を控除した残額を限度とします。)の金額について「損益通算」及び「繰越控除」をすることができます。