令和元年分確定申告の留意点について
今週から、東京税理士会練馬東支部の税理士による無料申告相談が始まります。相談対象は、所得税の確定申告・個人消費税の確定申告についてです。 (不動産・株式などの譲渡所得がある場合の確定申告は相談対象外ですのでご注意くださいね。)
- 光が丘区民センター 1月21日(火)~1月31日(金)
- 練馬区役所 2月3日(月)~2月7日(金)
今日は、令和元年分確定申告の留意点についてまとめてみました。
申告書への添付が不要となった書類の改正
(1)次に掲げる書類については、確定申告書への添付が不要となりました。※平成31年4月1日以後に確定申告書を提出する場合に適用され、過去の申告書を提出する場合も適用されます。
- 給与所得、退職所得及び公的年金等の源泉徴収票
- オープン型証券投資信託の収益の分配の支払通知書
- 配当等とみなす金額に関する支払通知書
- 上場株式配当等の支払通知書
- 特定口座年間取引報告書
- 未成年者口座等につき契約不履行等事由が生じた場合の報告書
- 特定割引債の償還金の支払通知書
(2)「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例」の適 用を受ける際に確定申告書等に添付することとされていた相続税額及びその相続税額に係る課税価格の資産ごとの明細を記載した書類(相続税申告書第1表、 第11表、第11の2表、第14表及び第15表の写し)につ いては、添付することを要しないこととされました。※平成31年4月1日以後に確定申告書等を提出する場合に適用され、過去の申告書を提出する場合も適用されます。
申告書の記載事項についての改正
給与等で年末調整の適用を受けたものを有する居住者が確定申告等を提出する場合には、年末調整で適用を受けた所得控除でその額に異動がないものについては、その所得控除の額のみの記載(合計額のみの記載)で足りることとされました。
※平成31年4月1日以後に令和元年分以後の所得税に係る確定申告書を提出する場合について適用されます。( 過去の申告書を提出する場合には適用されません。)
仮想通貨の売買におけるその取得価額の計算方法の明確化についての改正
居住者の仮想通貨につき事業所得の金額又 は雑所得の金額の計算上必要経費に算入する金額 を算定する場合、算定基礎となるその年12月31日に おいて有する仮想通貨の価額は、その者が仮想通貨について選定した評価の方法(総平均法又は移動平均法)により評価した金額とされたました。(評価の方法を選定しな かった場合等には、総平均法により評価した金額になります)
- 令和元年分以後の所得税について適用されます。
- 所得税法においても仮想通貨⇒暗号資産に呼称が変更されます。
空き家の譲渡所得の特別控除の特例についての延長・追加要件
1.期間が令和5年12月31日まで4年延長されました。
2.追加された要件:適用対象となる被相続人居住用家屋等の範囲に、「特定事由」により相続の開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていなかった場合(一定の要件を満たす場合に限ります。)におけるその特定事由により居住の用に供されなくな る直前にその被相続人の居住の用に供されていた家屋及びその家屋の敷地の用に供されていた土地等が追加されました。
- 「特定事由」・・介護保険法に規定する 要介護認定等を受け、かつ、被相続人が相続の開始直前まで老人ホーム等に入所していたこと
- この追加要件による適用は、平成31年4月1日以後に行う対象譲渡について適用されます。
所有者不明土地の利用の円滑化等に基づき行われる土地等の譲渡があった場合の改正
※令和元年6月1日以後の譲渡について適用されます。
- 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例 譲渡所得金額 2,000万円以下・・14%(所得税10%+住民税4%)2,000万円超・・20%(所得税15%+住民税5%)
- 用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に規定する土地収用法の特例の規定による収用があった場合には、収用交換等の場合の譲渡所得の5,000万円特別控除等が適用されます。
住宅ローン減税の拡充
10%の消費税率が適用される家屋を取得し、令和元年10月1日から令和2年 12 月 31 日までの間に居住の用に供した場合には、適用年の 11 年目から 13 年目までの各年における 控除額として本税額控除の適用ができることとされました。
- 【1~10年目】年末残高等×1%(控除限度額40万円)
- 【11~13年目】次のいずれか少ない額が控除限度額
- 年末残高等〔上限4,000万円〕×1%
- (住宅取得等対価の額-消費税額〔上限4,000万円〕)×2%÷3
- (注)「住宅取得等対価の額」は、補助金及び住宅取得等資金の贈与の額を控除しない金額をいいます。
災害に関する所得税の取扱いの留意点
雑損控除(所得税法)と所得税軽減(災害減免法)は選択適用になります。