医療費控除について②(介護費用)

先日に続いて、「所得税の医療費控除」の間違いやすいポイントのうち、介護費用についてまとめてみました。

介護に伴う費用

1.特別養護老人ホーム・地域密着型介護老人福祉施設の施設サービス自己負担金
  ①施設事業者が医療費控除の対象となる金額として証明した金額に限って医療費控除の対象になります。
  ②医療費控除の対象となる金額は、施設サービス自己負担金の1/2です。
2.介護老人保健施設・指定介護療養型医療施設の施設サービス自己負担金
  ①医療費控除の対象となる金額は、施設サービス自己負担金の額です。
  ②個室等の特別室の使用料も医療費控除の対象になります。
3.介護保険の居宅サービス自己負担金居宅介護支援事業者が発行した「居宅サービス等利用料領収証」に「うち医療費控除の対象となる金額」として記載された金額に限って医療費控除の対象になります。
4.医療費控除の対象にならないもの
  ①介護保険給付の対象となる居宅介護サービスのうち、生活援助中心のサービス利用料
  ②訪問介護の居宅介護サービス費用で居宅サービス計画に基づかないもの
  ③認知症高齢者グループホーム入居費
  ④有料老人ホーム入居費
  ⑤軽費老人ホーム入居費
  ⑥適合高齢者等専門賃貸住宅入居費
5.寝たきりの在宅療養の世話を家政婦に頼んだ場合の費用家政婦に支払う費用や家政婦紹介所に支払う紹介手数料は、医療費控除の対象になります。


成人用おむつの購入費用

医師による治療を受けるため直接必要な費用として、
①傷病によりおおむね6か月以上にわたり寝たきりであり
②医師の治療を受けている者のおむつ代は、医療費控除の対象となります。
おむつ代について医療費控除を受けるためには、その者の治療を行っている医師が発行した「おむつ使用証明書」を確定申告書に添付等することが必要です。2年目以降である場合は、介護保険の要介護認定を受けている方は、「おむつ使用証明書」に代えて、介護保険法の規定に基づく主治医意見書の内容を「市町村が確認した書類」又はその「主治医意見書の写し」の添付又は提示でも差し支えありません。

交通費

下記の交通費は医療費控除の対象になります。
1.要介護者が通所介護を受けるために必要な交通費
2.要介護者が通院のために利用した介護タクシー代


介護ベッド・介護用品購入代や 介護用品レンタル代

医療費控除の対象外です。介護用品の購入やレンタルは、介護保険が適用される場合1割程度が本人負担額となりますが、この1割の本人負担額を医療費控除の対象にすることはできません。その他、介護に必要として購入・レンタルした介護ベッドなども医療費控除の対象にはなりません。「福祉用具の貸与」や「介護予防福祉用具貸与」は、医療費控除では対象外となります。