消費税の軽減税率制度

昨年10月から消費税の軽減税率制度が開始しました。
今週から練馬東税務署で実施される予定だった「税理士会による消費税の軽減税率に特化した無料申告相談」の相談員を期間中3回担当する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で中止になりました。税務署は不特定多数の方が来るので、感染拡大の情勢を考えると致し方ないのですが、相談のためにあれこれ準備をしていたので、気が抜けました。
小学校休校に続いて、新型コロナウイルスの影響に振り回されています。
今日は、消費税の軽減税率制度についてまとめてみました。

消費税額の計算

( 1) 原則 
区分記載請求書等に基づき、売上げ又は仕入れを税率ごとに区分経理(10%・8%の区分ごとに計算)する必要があります。
(2)特例
売上げ又は仕入れを税率ごとに区分することが困難な中小事業者について税額計算の特例が設けられています。
※基準期間の課税売上高が5,000万円以下の中小事業者でのみの特例です。
※この特例の適用対象期間は令和元年年10月1日から令和5年9月30日までの4年間に限定されています。
※その困難の度合いは問われません。

売上特例

(1)「小売等軽減仕入割合」による方法
事業に係る課税仕入れに占める軽減税率対象品目の売上げにのみ要する課税仕入れの割合を乗じて、軽減対象資産に係る課税売上げを算出し、売上税額を計算できます。
※卸売業・小売業に認められる方法です。
※簡易課税制度と併用することはできません。
(2)「軽減売上割合」による方法
課税売上げに、「通常の連続する10営業日」だけ抜き取って課税売上けに占める同期間の軽減税率の対象となる課税売上げの割合(軽減売上割合)を掛けて、軽減税率の対象となる課税売上げを算出し売上税額を計算できます。
※通常の連続する10営業日は、期間中の通常の事業を行う連続する10営業日であればいつかは問われません。
(3)50%基準
主として軽減対象資産の譲渡等を行う事業者は、小売等軽減仕入割合の計算につき困難な事情があるときは、その割合を50%とすることができます。
※主に軽減税率を販売している業種に限定されている特例です。
※主として軽減対象資産の譲渡等を行う事業者とは、国内において行なった課税資産の譲渡等の対価の額のうち軽減対象資産の譲渡等の対価の額の占める割合がおおむね50%以上である事業者をいいます。

仕入特例

小売等軽減売上割合の特例
課税売上げを税率ごとに管理できる卸売業又は小売業を行う中小事業者は、 当該事業に係る課税仕入れに、当該事業に係る課税売上げに占める 軽減税率対象品目の課税売上げの割合(小売等軽減売上割合)を乗じて、軽減対象資産に係る課税仕入れを算出し、仕入税額を計算できます。
※この特例の適用対象期間は令和元年年10月1日から令和2年9月30日の属する課税期間の末日までの期間に限定されています。
※簡易課税制度と併用することはできません

簡易課税制度の届け出の特例

令和 元 年 10 月 1 日から令和 2 年 9 月 30 日までを含む課税期間については、適用を受けようとする課税期間の末日までに 「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出すれば簡易課税制度の適用を受けることができます。 
※2年間継続適用が要件です。
※また、調整対象固定資産や高額特定資産を取得した場合の「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出制限を受ける事業者に対する措置があります。